大学生でも借金できる?金融業者、カードローン会社別の特徴や注意点、返済のコツを解説
大学生でも、年齢条件が達していて収入があれば(18歳以上)親の同意がなくても消費者金融やカードローンを使い、お金を借りることは可能です。
「バイト代が入るまでのつなぎとして…」「急に現金が必要になったから」という理由で、借金する大学生も決して少なくないでしょう。
あるバイトや仕送り飲みの収入でも借りれるため、返済が難しくなり借金地獄に陥っているという大学生も出てきているようです。
大学生が借金する際の注意点や流れ、成人として知っておくべき基礎知識を解説します。親に借金バレないためのコツや借金返済に困ったときの対処法や借金相談先について、また借金が返せなくなった際に無料で利用できる借金減額シミュレーターについてなどです。ぜひ参考にしてみてください。
目次
大学生の借入事情は?生活とお金、借金を徹底分析
近年、大学生にとっても「借金」は身近なものになってきています。中でも利用率が高いのは、学費や生活費に充てるための「奨学金」でしょう。
JASSO 独立行政法人日本学生支援機構が行った
「令和2年度学生生活調査結果」によると、大学(昼間部)に通う学生のうち、奨学金を受給している人の割合は49.6%。約2人に1人が、奨学金という名前の借金を抱えていることがわかります。
また、仕送りと奨学金で、大学生活のすべてを賄い切れるとは限らないでしょう。消費者金融や学生ローンなど、奨学金以外の借金を抱える大学生も決して少なくありません。
大学生の人気アルバイト先である飲食業は、新型コロナによって、特に大きな打撃を受けた業界の一つです。「アルバイトしたくても、思うようにシフトに入れない…」と悩む学生も多かったのではないでしょうか。
また親の経済状況が悪化すれば、仕送り状況が厳しくなることも予想されます。
大学生が借金する8つの理由
では具体的に、大学生はどのような理由で借金するのでしょうか?主な理由を7つ紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
- 学費のため
- その他学校生活にかかる費用のため
- 生活費のため
- 就職活動のため
- 交友関係のため
- 資格取得のため
- 浪費やギャンブルのため
令和2年度学生生活調査結果によると、令和2年度の大学生(昼間部)にかかる学費の平均は年間約115万円です。国公立大学であれば、約半分にまで抑えられますが、決して少なくありません。
また生活費の平均や、年間約66万円です。両者を合わせると年間180万円以上の出費となり、非常に大きな負担となっています。
またもちろん、大学生活にかかるお金はそれだけではありません。
せっかくの大学生活ですから、サークル活動や交友関係、さらに運転免許を始めとする資格取得に対して、前向きに取り組んでいる方も多いのではないでしょうか。
基本は「アルバイト代でまかなう」としていても、支出のタイミングによっては、ローンを頼りたくなることもあるはずです。
一部ではありますが、浪費やギャンブルをきっかけに借金生活に陥ってしまう方もいます。高校生と比較して自由度も高い大学生。あらゆる場面において、自制できるかどうかが非常に重要な鍵になるでしょう。
成人年齢引き下げにより10代大学生でも借入しやすく!
2022年4月1日より、日本の成人年齢は、それまでの「20歳」から「18歳」へと引き下げられています。
この結果、高校を出たばかりの10代・大学1年生であっても、以前よりも各種金融業者で借入しやすい環境が整ってきています。
年齢にかかわらず、大学生にとって「借金」は、より身近な存在になっていると言えるのではないでしょうか。
大学生にお金を貸してくれる業者はどこ?3種類の特徴を紹介
では実際に、大学生に対してお金を貸してくれる業者には、どういったところがあるのでしょうか。
- 学生ローン
- 消費者金融
- 銀行系カードローン
これら3種類について、大学生の扱い方の特徴をチェックしていきましょう。
学生ローンは10代でも借りやすい!
学生ローンは、その名前のとおり、学生向けのローンを取り扱っている金融業者です。
もともとが「学生」を対象にしたサービスですから、「20歳以上の大学生」であれば問題なく申し込みが可能。成人年齢引き下げに伴い、18歳・19歳の申し込みをOKとする業者も出てきています。
- フレンド田
- カレッヂ
これらの業者は18歳・19歳の大学生からの申し込みも受け付けています。
消費者金融は「即日対応」も多い!
消費者金融も、学生向けの貸付を比較的積極的に行っています。
ただし18歳・19歳向けの貸付を行っているかどうかは、業者の判断によって異なります。
たとえば、大手消費者金融「プロミス」は、成人年齢引き下げに伴って、申し込み可能年齢を20歳から18歳へと変更しました。収入証明書は必須となりますが、申し込みそのものは可能です。
一方で、アコムやレイクALSAの場合、20歳以上の利用が可能です。安定した収入さえあれば、大学生であってもお金を貸してもらえるでしょう。
銀行系カードローンは敷居が高め!
銀行系カードローンは、消費者金融と比較すると、金利が低め。その分審査の内容は厳しく、学生という立場で通過するのは困難と言えるでしょう。
詳細なルールは銀行によって異なりますが、「学生不可」と明記しているところも少なくありません。安定した収入があったところで、学生本人の返済能力は「充分」とは言えないからです。
たとえ20歳を超えていても、学生の立場であるうちは、利用するのは厳しいでしょう。
「バイトしていなくても借りられる」は闇金!絶対にNG
大学生が各種金融業者からお金を借りる際に、絶対に必要なのが「安定した収入」です。立場はアルバイトでも構いませんが、「返済可能」と認められるだけの収入がなければ、審査通過は難しいでしょう。
しかし実際には、「アルバイトしていなくてもお金を借りられる!」とうたう金融業者も存在しています。「バイトしたくてもできない」「すでに辞めてしまった…」というときに惹かれがちですが、これらは「闇金」ですから利用しないでください。
闇金とは、法律で定められた上限金利を超える金利で、貸付を行う違法業者のこと。手軽に貸してくれる一方で、返済できなくなればとことん追い詰められるでしょう。
学生は、そもそもお金を貸してくれるところが少ないため、闇金の甘い言葉に引っかかってしまいがちです。
大学生の借金は親にバレる?3つの理由と対処法
大学生が借金をする際、「できれば親には知られたくない…」と思う方も多いのではないでしょうか。
基本的に、大学生であっても自身の名前で申し込みをすれば、親の名前は不要です。何も問題がなければ、借金の事実を親に知られる可能性は低いと言えるでしょう。
大学生の借金が親にバレてしまうケースを3つ紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
1.申込書類やカードが自宅に届く
各種金融業者でローン契約を結ぶと、申込時の書類やカード類が、自宅に届けられるケースがあります。
一人暮らしであれば問題ありませんが、家族と同居している場合、自分より先に親が受け取る可能性もあるでしょう。封筒の中身について問い詰められ、借金がバレてしまう恐れがあります。
郵便物をきっかけに親バレしないためには、金融業者への登録方法に工夫するのが一番です。すべての手続きを郵送ではなく、オンライン上で完結してくれる業者であれば、自宅に届く荷物で不安を抱えることもないでしょう。
2.自宅やバイト先に電話連絡される
金融業者は、必要に応じて自宅やバイト先に電話連絡をしてくることがあります。この連絡をきっかけに、親にバレてしまう可能性もあるでしょう。
バイト先へは、財前確認のため電話連絡がいくことが多いようです。バイト先から自宅に連絡がいかないよう、注意する必要があります。
また申し込み書に自宅の電話番号を記載すれば、手続きに不備があった場合に連絡が来る可能性も。記載内容にも十分に注意してください。
3.返済できなくなる
借金が親にバレるケースとして、もっとも注意しなければならないのが、「返済が滞ってしまった場合」です。
金融業者は、返済されないお金を回収するため、合法的に必要な行動をスタートします。
携帯電話に連絡してもつながらなければ、自宅に電話がかかってくるでしょう。取り立てで電話できる回数は「1日3回程度」とされていますが、1日に3度も子ども宛ての電話がかかってこれば、親は「何事か」と思うはずです。
さらに取り立てが進めば、ハガキや封書が届くようになるでしょう。それを無視した場合、裁判所から連絡が来る可能性もあるのです。
大学生の借金は危険!できれば避けるべき3つの理由
ここまで解説してきたとおり、大学生でも借金は可能です。
お金で困ったときの強い味方ではありますが、大学生で借金を重ねるのは非常に危険。その理由を3つ紹介します。
収入が少なく返済に行き詰まる可能性が高いから
大学生の主な収入源は、アルバイトでしょう。
とはいえ、授業や親の扶養との兼ね合いから、「どんどんバイトを増やしてじゃんじゃん稼ぐ」というのは難しいもの。年収で言えば、「100万円程度」を上限目安にしている方も多いのではないでしょうか。
収入が少ないと、返済時の自由度も低くなってしまいます。借入金額が少なくても、返済に行き詰ってしまう可能性は高いと言えるでしょう。
年収100万円のアルバイト大学生の場合、借金が30万円を超えたら、かなりの危険水域です。総量規制ギリギリで、自力での完済が極めて厳しいと考えられます。
「借金返済のために借入をする」という状況になれば、自転車操業で事態の好転は難しくなります。収入上限が限られている大学生が借金をするのは、非常に高リスクです。
アルバイト中心の生活で学業が疎かになってしまうから
扶養問題さえ解決できれば、大学生という立場でも、どんどんシフトを入れてじゃんじゃん稼ぐこともできるでしょう。
しかしこの場合、借金返済はスムーズに進んでも、学生としての本分が疎かになってしまう恐れがあります。
学業にとことん打ち込めるのは、「学生」という立場だからこそ。借金は、そうした前提さえも崩してしまう可能性があるのです。
借金に対する抵抗感が薄れてしまうから
学生のうちから借金を繰り返し、慣れてしまうのは由々しき問題です。借金に対する抵抗感がなくなれば、将来的に、より大きなトラブルにつながってしまう恐れもあります。
たとえば「趣味のための高額商品が欲しい!」と思った際には、まずお金を貯め、そのお金を使って商品を購入するのが一般的な流れです。
しかし借金に対する認識が甘いと、「とりあえずお金を借りて購入し、その後少しずつ返せばよい」と考えがちです。
借金が普通の生活になれば、「お金」に対する認識が大きく変わってしまうでしょう。「気づいたときには信じられないほど残債がふくらんでいた!」なんてことにもなりかねないのです。
完済を目指そう!大学生が借金を返済する際のコツ
学生という立場での借入が高リスクとはいえ、やむを得ない事情で借入せざるを得なかった方もいるでしょう。
この場合、できるだけ早く返済することが大切。借金とは、借りる金額が大きく、完済までの期間が長引けば長引くほど総返済額が大きくなってしまうからです。
大学生向けの借金返済のコツを3つ紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
1.アルバイトを増やす
借金返済のためには、まずお金がなければ話になりません。アルバイトを増やしてアップした分の収入を、借金返済に回しましょう。
【年利15.0%で30万円を借りた場合】
毎月の返済金額 | 返済回数 | 総返済額 | 利息負担分 |
---|---|---|---|
1万円 | 38回 | 378,331円 | 78,331円 |
2万円 | 17回 | 334,311円 | 34,311円 |
3万円 | 11回 | 322,503円 | 22,503円 |
月に1万円ずつ返済した場合と、2万円ずつ返済した場合を比較してみれば、その差は一目瞭然です。利息負担分は、半分以下に抑えられます。
「月にあと1万円だけ多く稼ぐ」という方式であれば、学業や親の扶養への影響も最小限に食い止められるのではないでしょうか。
普段のバイトを増やすのが難しい…ということであれば、長期休暇をうまく活用するのがおすすめです。短期集中型でしっかり稼いでみてください。
2.支出を減らす
収入を増やすのが難しい場合は、支出を減らし、浮いたお金を返済へと回しましょう。
毎月1万円分節約し、それを返済へと回せれば、先ほど紹介したのと同じ効果が得られるでしょう。
おすすめの方法は以下のとおりです。
- 車を手放す
- スマホプランの見直しをする
- 住む場所を再検討する
駐車場代や維持費、税金など、持っているだけでお金がかかるのが車です。もし所有しているのであれば、自転車や原付など、その他の交通手段へと切り替えることで、月々の負担を軽減できるでしょう。
またスマホの契約プランも注目したいポイントです。ちょっとした手続きだけで、月々、数千円を節約できる可能性があります。
また一人暮らしをしている大学生の場合、「家賃」も負担の大きい費用項目です。安いところに引っ越せば、月々の生活費を浮かせられます。
3.余裕があるときは1万円でも繰り上げ返済を!
成人とはいえ、まだまだ大学生。親や親せきからお小遣いをもらったり、ちょっとした臨時収入があったりすることもあるでしょう。
こうしたお金は、ぜひ繰り上げ返済に回してください。たった1万円でも、何度も繰り返すことで完済に近づけていけます。
大学生の借金の場合、「返済が厳しい」と言っても、借入総額で見ればそれほど多額ではないケースがほとんどです。月々のコツコツ返済と繰り上げ返済を続けていけば、完済できる可能性も高いのではないでしょうか。
返済が厳しい場合の対処法は「債務整理」
上記の方法では残念ながら完済が厳しい…という場合には、債務整理について検討してみてください。
債務整理とは、返済できないほど膨らんでしまった借金を、法律のもとで整理する方法です。利息分や元本をカットすることで、返済負担を軽減できます。
債務整理には、以下のような方法があります。
- 任意整理
- 債務者が債権者に対して直接交渉を持ち掛け、新たな返済条件で和解する債務整理。将来利息をカットし、元本分を原則3年で返済する。
- 特定調停
- 裁判所を通して債務者と債権者が直接交渉し、新たな返済条件で合意する債務整理。任意整理よりも費用を節約できるが、相手側が合意するとは限らない。
- 個人再生
- 裁判所を通して手続きすることで、借金の元本を大幅に圧縮できる可能性がある。圧縮後の借金は原則3年で返済する。ただし最低弁済額は100万円。
- 自己破産
- 返済不能状態に陥っていると判断される場合に、裁判所と通して借金をチャラにする債務整理。免責許可が下りれば手続き後の返済は不要。ただし一部を除いて財産は没収される。
大学生が債務整理する場合、借金総額が100万円未満であるケースも多いため、個人再生でメリットを実感するのは難しいでしょう。
このため、大学生が債務性を検討する場合、任意整理もしくは特定調停をメインに考えるのが現実的です。
弁護士や司法書士にサポートをお願いできる任意整理の方が、より確実に手続きを進めていけるでしょう。
借金がそもそも減らせるかどうかは、弁護士事務所や司法書士事務所のツール「借金減額シミュレーター」「借金減額診断」で、自分の借入状況や借入期間、返済状況などを入れて診断してもらうことができます。
実在する法律事務所、法務事務所で債務整理の実績豊富な事務所のツールであれば、安心して利用できますよ。無料なので「自分の借金ってもしかして減らせるのでは?」「どんな方法で減らせる?」かを調べて見ると良いでしょう。
特定調停と任意整理のどちらの方が有利なのかは、さまざまな視点から総合的に判断する必要があるでしょう。
親に頼れるなら頼った方が良い!
債務整理は、借金問題で悩む人にとっての最後の砦。しかし、借金減額というメリットの裏には、以下のようなデメリットも存在しています。
- ブラックリストへの登録
- 官報への記載(個人再生・自己破産の場合)
- 将来への影響
- 保証人への影響(個人再生・自己破産の場合)
債務整理をした場合、どの方法を選んでもブラックリストに登録されてしまいます。
個人信用情報機関に事故情報が登録されれば、一定期間、新たな借入やクレジットカードの発行・使用ができなくなります。「学生向けクレジットカードを作りたい」「これから社会人になる」というタイミングでのブラックリスト入りは、決して望ましいことではありません。
また債務整理の事実が官報にて公告されれば、その事実を周囲に知られてしまう可能性もあるでしょう。
また個人再生や自己破産では、一部の借金のみを除外して手続きすることはできません。借金の中に保証人がついているものがあれば、保証人にも迷惑をかけることになるのです。
大学生の場合、保証人には「親」がなるケースも多いのではないでしょうか。この場合、債務整理の事実は保証人である親のもとにも伝えられます。
- 親に迷惑をかけるのが忍びない…
- 正直に話して叱られるのが嫌だ…
- きっと理解してもらえない…
- 借金の理由を親に話せない…
このような、さまざまな感情もあるとは思いますが、将来のデメリットを考慮するなら、頼れるものは頼っておくのがベストですよ。
大学生の借金問題は早期解決を目指そう
収入が限られる大学生にとって、借金返済は簡単なことではありません。
低金利(もしくは無利子)でなおかつ卒業まで返済が猶予される奨学金は別として、消費者金融や学生ローンなどでの借金は、特に慎重に検討するべきと言えるでしょう。
とはいえ、昨今の大学生をめぐる経済事情を考えれば、「どうしてもお金を借りなければならない…」という方もいるでしょう。
この場合、借入は自身の収入状況を考えて無理のない範囲で、またさまざまな工夫のもと、できる限り早期完済を目指すことをおすすめします。
借金問題解決のためには「債務整理」という方法もありますが、大学生にとっては気になるデメリットも少なくありません。
親や専門家と相談しながら、自身の今後を考える上で、もっとも良い道を検討してみてくださいね。