天然物ケミカルバイオロジー:分子標的と活性制御 - 文部科学省科学研究費補助金「新学術領域研究(研究領域提案型)」(平成23~27年)

天然物ケミカルバイオロジー次々世代

慶應義塾⼤学⼤学院理⼯学研究科 D2
井岡秀二

研究内容

ホタル生物発光に関する化学的研究
 幻想的なホタルの光は、遥か昔より人々の関心を誘ってきました。科学的見地より、この生物発光は、発光基質であるホタルルシフェリン(1) が発光酵素ルシフェラーゼによってAMP化され、続いて酸素化されることで黄緑色(最大発光波長562 nm)に発光するとされています (Fig.1)。さらに、その発光効率は41%と極めて高いことから、これまでバイオイメージングや食品衛生管理などに応用されてきました。当研究グループによって、有機化学的にホタルルシフェリンの構造を改変し赤色発光化に成功しています。しかし、ホタルルシフェリンの発光強度を向上させることはできませんでした。

私は、ホタルルシフェリンの発光強度向上を目的として、有機合成化学を用いてホタルルシフェリンアナログの開発に取り組んでいます。また、その過程で得られた知見をもとに、生体内における活性物質の検出を行えるようなアナログの開発にも挑戦しています。

研究者としてのひとことアピール

私は、有機合成化学を基盤としたケミカルバイロジー研究に取り組んでいます。活性を有する低分子化合物をもとに構造活性相関を行い、より強い活性物質を開発しています。生体内を可視化するケミカルバイロジー研究と、生理活性物質を創出するケミカルバイロジー研究に関するテーマを立案し、有機合成、分子設計、細胞培養や細胞を用いたアッセイなど行うことができます。

将来の夢

 私の夢は、有機合成化学を用いて、創薬に繋がる活性物質の開発と生体内の有害物質を可視化できる機能性物質の開発の両方を行うことです。新しい活性を有する新規化合物を合成開発し、その生命現象を自身で開発したイメージングツールを用いて、作用機構解析を行うといった研究を行いたいと思っております。


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